芳泉文化財団コンセプト

支援目的

日本画の保存・修復、日本映画の制作・研究の担い手となる創作者を育成している大学院研究室や大学院生への支援

芳泉文化財団は、日本の芸術文化の保全と振興に寄与する財団として2009年8月に発足いたしました。具体的には、その担い手となる創作者を育成している大学院研究室や大学院生への支援を目的としています。

私たちは、日本の芸術文化の保全・振興には、<2つの柱>があると考えます。第一に「過去の大切な遺産を、未来へきちんと伝えていくこと」。第二に「新たな文化を創出すること」。それらの筆頭となるのが、世界で唯一日本だけが受け継いだ日本画であり、世界でも類を見ない日本映画への支援です。

【日本画の保存・修復】過去の大切な遺産を、未来へきちんと伝えていくこと

日本画の技法と素材は、千数百年前、中国大陸や朝鮮半島から、主に仏教絵画を通じ伝来しました。和紙や絹、板などの上に、膠を接着剤として、天然の岩石や貝殻、植物を原料とした色材で描きます。脆弱な素材のため、作品完成時から劣化が始まる日本画。そのため恒久的に保存していくには繰り返し修復することが必要です。今日まで継承されてきた日本の優れた修復技術は、作品と共にそれ自体が貴重な文化となっています。しかし、固有の素材や独自の技法による東洋の古典絵画様式と、その修復技術を保持しているのは現在では日本のみです。千数百年の伝統を持つその技術と素材は、シルクロードや東南アジアの文化財の保存と修復にも、必要不可欠なものと言えるのです。日本が継承してきた日本画の素材や表現技法、そして高度な修復技術は、今日のグローバル化の中でますます世界の文化に貢献していくことでしょう。

【日本映画の制作・研究】新たな文化を創出すること

2009年2月、日本映画が米国アカデミー賞を受賞し、日本映画が世界に誇れる芸術文化であることを広く示しました。しかし、日本映画はずっと以前から、世界中でそのレベルの高さ、クオリティの上質さで認められています。FEMIS(フランス国立映画学校)に代表される海外の映画教育では、日本映画が常に試験に使われており、さらに海外の映画教育では、ヒッチコックなどと共に、溝口健二や小津安二郎の作品が、たびたび登場します。日本映画の世界的観点からみた有用性、優秀性は、その繊細な“ディテール描写”です。何気ない日常や身近な素材から入り、人間の心のヒダを丁寧に描いていく点。何より、心の豊かさを追い求めている点なのです。こうした日本映画の価値は、私たち日本人が想像するよりもはるかに偉大です。

芳泉文化財団は、財団としての意義をこのように考えます。

世界の芸術文化を支えるための源であり、世界に誇れる保存・修復技術を持った日本画と、世界が認めているにも関わらず、私たち日本人が見過ごしてきた日本映画。この2つの発展に寄与していくことによって、今、世界中の人々が欲していること、物質文明から精神文明への転換が、日本から開かれていくことでしょう。 私たち芳泉文化財団は、日本の、そして世界の人々の心に助成する財団でありたいと願っています。

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