日本画・彫刻文化財の
保存修復についてSave and restorationa of
japanese - style painting and
sculpture cultural assets

カテゴリーとしての
日本画・彫刻文化財

日本画の技法と素材は、千数百年前、中国大陸や朝鮮半島から、主に仏教絵画を通じ伝来しました。和紙や絹、板等の上に、膠を接着剤として、天然の岩石や貝殻、植物を原料とした色材で描きます。脆弱な素材のため、恒久的に保存していくには繰り返し修復することが必要です。 また、日本における彫刻文化財のほとんどは仏像です。その大半は木彫であるため、材料の劣化、朽損や虫害等、さまざまな要因により損傷が進みます、現存する古像はこれまで幾世代にもわたり修復が重ねられた結果、伝えられたものです。
日本画・彫刻文化財の修復において今日まで継承されてきた日本の優れた技術は、作品と共にそれ自体が貴重な文化となっています。しかし、その制作技術・修復技術をともに保持しているのは現在では日本のみです。千数百年の伝統を持つその技術と素材は、シルクロードや東南アジアの文化財の保存と修復にも、必要不可欠なものと言えるのです。日本が継承してきた日本画や古典彫刻の高度な制作・修復技術は、今日のグローバル化の中でますます世界の文化に貢献していくでしょう。